WISDOM
TOOTH
親知らずの抜歯
親知らずの抜歯とは?
親知らずは、前から数えて8番目に位置する歯で、永久歯の中でもっとも奥に生えてくる歯です。正式には「第三大臼歯」や「智歯」と呼ばれ、上下左右に1本ずつ、計4本存在します。
多くの方は10代後半に生えてきますが、中には全く生えてこない方もいらっしゃいます。現代人は顎が小さくなる傾向があり、親知らずが正常に生えるスペースが不足していることが増えています。そのため、斜めや横向きに生えたり、歯茎の中に埋まったままになったりするケースが少なくありません。
親知らずがあるからといって、必ず抜く必要があるわけではありません。まっすぐ生えていて、上下でしっかり噛み合い、むし歯や歯周病のリスクが低ければ、残しておいても問題ありません。
ただし、横や斜めに生えている場合、一部分だけ顔を出している場合、痛みや腫れを繰り返している場合などは、抜歯を検討したほうが良いでしょう。当院では、患者様のお口の状態を総合的に診断し、もっとも適切な治療方針をご提案しています。
こんな方におすすめ
- 親知らず周辺に痛みや腫れがある方
- 親知らずが横向きや斜めに生えている方
- 親知らずが隣の歯を押して歯並びに影響を与えている方
- 親知らず周辺の歯茎が繰り返し炎症を起こしている方
- 親知らずがむし歯になっている方
- 矯正治療を予定しており、親知らずの抜歯が必要と診断された方
- 他院で抜歯を勧められたが、セカンドオピニオンを求めたい方
当院の親知らず抜歯における特徴
CT撮影による精密な診断
当院では、親知らずの抜歯を行う前に必ずCT撮影を実施しています。通常のレントゲンでは平面的な情報しか得られませんが、CTを使用することで三次元的に親知らずの位置や形態、周囲の神経や血管との位置関係を正確に把握することができます。
特に下顎の親知らずの場合、すぐ近くに太い神経や血管が通っていることがあります。これらを傷つけてしまうと、唇のしびれなどの後遺症が残る可能性があります。CT撮影により事前に詳細な情報を得ることで、より安全で確実な抜歯を行うことができます。
痛みを抑えた抜歯処置
親知らずの抜歯に対して「痛い」「怖い」というイメージをお持ちの方も多いかと思います。当院では、患者様の不安を少しでも軽減できるよう、痛みを抑えた治療を心がけています。
まず、麻酔注射の前には表面麻酔を使用します。歯茎の表面に麻酔液を塗布することで、注射針を刺す際の痛みを和らげることができます。
また、注射の際には極細の針を使用し、医学的な知見に基づいた手技で麻酔を行います。痛点の少ない場所を選び、表面から徐々に深い部分へと進めていくことで、麻酔時の不快感を最小限に抑えています。
難症例にも対応可能な技術力
親知らずの抜歯は、その生え方や位置によって難易度が大きく異なります。まっすぐ生えている親知らずであれば比較的短時間で抜歯できますが、横向きに埋まっている場合や、歯の根が曲がっている場合などは、高度な技術が必要になります。
当院では、横向きや埋伏している親知らずの抜歯にも対応しています。CT画像をもとに綿密な治療計画を立て、必要に応じて歯茎を切開したり、歯を分割したりしながら、丁寧に抜歯を進めていきます。
また、抜歯後の痛みや腫れを最小限に抑えるため、できるだけ侵襲の少ない方法を選択し、手際よく処置を行うよう努めています。
親知らず抜歯のメリット
むし歯や歯周病のリスクを減らせる
親知らずは口の奥に位置しているため、歯ブラシが届きにくく、清掃が不十分になりがちです。特に斜めや横向きに生えている場合、隣の歯との間に汚れが溜まりやすく、むし歯や歯周病の原因となります。
親知らずを抜歯することで、清掃しやすい環境が整い、隣の健康な歯をむし歯や歯周病から守ることができます。親知らず自体がむし歯になっている場合はもちろん、隣の歯に悪影響を及ぼす前に抜歯することで、長期的なお口の健康維持につながります。
繰り返す痛みや腫れから解放される
親知らず周辺の歯茎に細菌が入り込んで感染を起こすと、痛みや腫れが生じます。疲れているときや体調を崩したときなど、免疫力が低下すると炎症が起こりやすくなります。
このような症状を繰り返している場合、その都度抗生物質などで対処することもできますが、根本的な解決にはなりません。親知らずを抜歯することで、繰り返す痛みや腫れから解放され、安心して日常生活を送ることができるようになります。
お口全体の健康を守る
親知らずが原因でトラブルを抱えている場合、それは親知らず周辺だけの問題ではありません。親知らずの状態が悪いと、隣接する健康な歯にも悪影響を及ぼします。
適切なタイミングで親知らずを抜歯することで、お口全体の健康を長期的に守ることができます。当院では、一人ひとりの患者様のお口の状態を総合的に判断し、将来を見据えた治療計画をご提案しています。
親知らずの生え方と抜歯の必要性
親知らずの生え方は大きく分けて3つのパターンがあり、それぞれで対処方法が異なります。
まっすぐ正常に生えている場合は、他の歯と同じように機能しており、ブラッシングもしっかりできていれば、特に問題となることは少ないでしょう。
一方、親知らずが斜めに生えて歯茎から一部分だけ見えている状態は、トラブルが生じやすいと考えられます。完全に生えているわけではないため、歯垢や汚れが溜まりやすく、むし歯や歯周病の原因になります。親知らず周辺の衛生状態が悪くなると、体調不良などで免疫が低下したときに腫れや痛みが生じることがあります。
親知らずが歯茎の中に完全に埋まっている場合、細菌感染による炎症を起こすリスクは比較的低いと考えられます。痛みを感じず、お口やあごに悪影響を与えていないのであれば、そのまま様子を見ることもあります。ただし、埋まっている親知らずの周囲に、まれに嚢胞(膿がたまった袋状のかたまり)ができることがあります。嚢胞は痛みを伴わないことがある一方で、骨を溶かす恐れがあるため、レントゲンやCTでの確認が大切です。
抜歯が必要かどうかの診断
親知らずがあるからといって、必ずしも抜歯が必要というわけではありません。当院では、まずしっかりと検査を行い、患者様一人ひとりの状態を把握した上で、抜歯が必要かどうかを判断しています。
検査では、レントゲンやCT撮影を行い、親知らずの生え方、位置、周囲の骨の状態などを確認します。また、現在痛みや腫れがあるか、過去に繰り返し炎症を起こしていないか、むし歯や歯周病のリスクはどの程度かなども考慮します。
これらの情報を総合的に判断し、抜歯のメリットとリスクについて詳しくご説明いたします。患者様にしっかりとご納得いただいた上で治療を進めていきますので、不安なことや疑問に思うことがあれば、遠慮なくお尋ねください。
痛みや腫れがあるときの対応
痛みや腫れがある状態は、細菌感染による炎症が起きています。炎症がある状態で抜歯をすると麻酔が効きにくく、抜歯後の炎症がさらに強くなるため、すぐに抜歯することはできません。
このような場合、まずは抗生物質を服用していただき、炎症を落ち着かせてから抜歯を行うのが望ましいといえます。痛みや腫れを我慢せず、早めにご来院ください。
親知らずと歯並びの関係
親知らずによる歯並びへの影響については、現時点では医学的に明確に証明されていません。
もともと歯並びがきれいだったのに、年齢とともに徐々に前歯の向きが変わってきた、歯並びがデコボコになってきたという方は、歯周病など他の要因も考えられます。当院で定期的なメインテナンスを受けていただくとともに、親知らずの状態も確認させていただくことをおすすめします。
ただし、親知らずを抜歯しただけでは、歯の向きや歯並びは元には戻りません。歯並びを整えたい場合は、矯正治療が必要になります。
矯正歯科抜歯後の回復過程
親知らずの抜歯は、身体への負担を伴う外科処置です。身体は傷を治そうとする反応として炎症反応を起こします。抜歯後に腫れたり、熱っぽくなったり、痛みを感じたりするのは、身体が正常に治ろうとしている証拠です。
痛みは抜歯当日と翌日がもっとも強く感じられます。処方された痛み止めを服用していただければ、徐々に和らいでいきます。抜歯の翌日まで、歯茎からジワジワと出血することがありますが、ガーゼを噛んで歯茎を圧迫すると、比較的早めに止血します。
腫れは抜歯後1~2日頃がピークで、その後1週間かけて引いていきます。腫れが強い場合、口が開きにくくなることがありますが、徐々に治ります。
縫合した糸は、通常1週間後に取ります。この頃には痛みもほとんどなくなり、食事も通常通りできるようになります。ただし、傷口が完全にふさがるまでにはもう少し時間がかかりますので、硬いものを無理に噛んだり、患部に刺激を与えたりしないよう注意してください。
まれに唇の周りのしびれや麻痺が生じることがあります。しびれや麻痺は一度症状が出ると、数カ月間続くことがありますが、多くの場合は徐々に回復していきます。
抜歯の方法
親知らずが斜めに生え、歯茎から一部だけ見えている場合、以下のような手順で抜歯を行います。
まず局所麻酔をした後、歯茎を切開します。次に、歯の周りの骨を一部削り、歯も削って細かく分割します。分割した歯を取り除いた後、抜歯後の穴を掃除して洗浄し、縫合します。
親知らずが歯茎に埋まっている部分が少なければ、歯茎を切ったり骨を削ったりせずに抜歯できることもあります。
抜歯後の注意点
抜歯当日の入浴はシャワー程度にとどめ、運動や飲酒、喫煙は控えてください。抜歯の翌日以降は、ご自身の体調次第で軽い運動などは行えます。
食事は普通にしていただけますが、口が開きにくいときはお粥やゼリー状のものが食べやすいでしょう。歯みがきは、歯茎を縫った部分以外は普通に行えますが、縫合しているところは軽く汚れを落とす程度にしてください。
抜歯したところを氷などで冷やしすぎないでください。冷やしすぎると頬が硬くなります。
痛みがある場合は、我慢せずに痛み止めをしっかり飲んでください。薬を飲んでも我慢できないほど痛みが強い場合、出血が多い場合などは、すぐに当院にご連絡ください。
痛みの少ない抜歯方法
親知らずの抜歯に不安が強い方には、静脈内鎮静法という方法もあります。当院では、麻酔を専攻したドクターが静脈内鎮静法を担当しています。
静脈内鎮静法は、ウトウトとリラックスした状態、または人によってはほとんど眠っているような状態で抜歯を受けていただける方法です。治療中の記憶はほとんど残らず、気がついたら終わっているという感覚です。
ご希望の方は、事前にご相談ください。
他院で難しいと言われた方へ
親知らずの抜歯は、その状態によっては高度な技術を必要とします。他の歯科医院で「難しいので大学病院を紹介します」と言われた経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
当院では、横向きや埋伏している親知らずの抜歯にも対応しています。CT撮影により詳細な情報を得た上で、綿密な治療計画を立てて処置を行います。
ただし、親知らずの根が下顎の神経に非常に近い位置にある場合や、全身的な疾患があり抜歯のリスクが高いと判断される場合など、より専門的な設備や体制が整った医療機関での治療が望ましいケースもあります。そのような場合には、東京歯科大学水道橋病院をはじめとする連携医療機関をご紹介することも可能です。
まずは一度当院でご相談ください。しっかりと診査診断を行った上で、もっとも適切な治療方法をご提案させていただきます。